情報整理のエトセトラ
毎日のように本やらウェブやらを見ていると、互いに関係があったりなかったりする断片のようなものがつぎつぎと目や耳に入ってはどこかへ消えてゆく。
また、あれこれ文章を書いたり、SNSに投稿したりしたものも、あちこちにバラバラの状態になりがちで、やがてどこになにを書いたのかも分からなくなる。
「そういうものさ」と思えば、そのままでよい。他方で、ときどきそうして読み書きしたことをバラバラのままにしておくのではなく、なにかまとめたり整理したりできないだろうか、と思うことがある。
それで、メモを集約できそうなアプリを試してみたり、カードをつくったりするわけだが、それらの道具を使っているうちに、ほどなくごちゃごちゃとしてくる。それはそのはずで、バラバラだったものを一箇所に集めておくのだから、適宜分類や整理をしなければ混沌とする道理。
また、一度分類・整理しさえすれば、あとはそれで済むということなら話も簡単なところ、そうは問屋が卸さない。後から新たな要素が加わったり、以前とは別の必要が生じたりすると、それまでの分類や整理を見直さねばならなくなったりすることがあるからだ。
では、どうするか。例えば、調べたことなどをスライドにしておくのはどうか。スライドという単位でものごとをまとめておくと、これを必要に応じてカードのように並べ替えたりもできる。また、これを眺めてものを考えたり、話をする材料として提示するのも簡単だ。うん、なんとなく便利そう。
下図はその一例で、ウォルター・リップマンの『世論』という本からの引用に、書影と著者の写真を組み合わせて、見出しをつけたものだ。ここしばらく、リップマンの「疑似環境」というアイデアを借りてものを考える機会が多く、このスライドも出番が多い。
こうして書影やポートレイトを配置して色をつけておくと、引用のテキストだけをまとめておいておくよりも、記憶に残りやすいように感じている。ある本について、表紙の感じや佇まいで覚えているのと似ているかもしれない。
理想をいえば、このスライドから『世論』の本文や、事典類のリップマンの項目を、同じフォーマットで閲覧したい。スライドにリンクを埋め込めば疑似的に実現はできるはず。ただ、その場合、リンクをクリックするとブラウザやら電子書籍リーダーやらが起動して、複数のアプリを行ったり来たりすることになり、それは煩わしい(とかく注文の多い利用者である)。
また、私は目下、こうしたスライドをPowerPointで作っているのだが、当然のことながらPowerPointはプレゼンテーションのための道具なので、スライドをカードのように扱うのにも限度がある。例えば、カードなら表と裏があって、両面を関連づけながら使うこともできるし、机などにばらっと放り出して好きなように並べたりもできる。PowerPointにそうした機能は備わっていない。
コンピュータでどのように情報を扱うかという工夫については、コンピュータの黎明期からそれこそ山ほど試行錯誤されてきたことでもあった。にもかかわらず、いまだに「これでよし」という状態に至っていないのはなんだか面白い。なぜそうなのか。これもまた面白い問題なのだけれど、いささか長くなってきたので機会を改めて考えてみようと思う。

